本文へスキップ

株式投資の学習や銘柄分析の学習などの動画を配信しています。

トップページ > 銘柄分析動画 > 銘柄分析のコツ > 銘柄分析のコツ その10

銘柄分析のコツ その10

 

配当利回り4%以上をインカム投資の対象とした時、この銘柄はインカム投資に該当すると思いますか?
実はインカム投資に該当するとは判断できません。
その理由を解説します。

「銘柄分析のコツ その10」です。

1975朝日工業社の会社四季報などに記載されている過去5年間の業績、今期の会社予想、配当、キャッシュフローなどはこのような状態です。
配当が120円、配当利回り5.7%となっており、普通に考えたらインカム投資に該当します。
ファンダメンタル分析塾では、第1段階の分析でこの情報を基にどの投資スタイルに該当するか回答してもらっています。
これがみんなの回答を集計したものです。
朝日工業社を出題した時は、修正前の情報で配当100円、配当利回り4.5%でした。
配当利回り4.5%でも、100%の人がインカム投資に該当すると回答してくれました。
私の判断では、インカム投資に該当するとは断言できませんので、私なら微妙と回答します。
EPSと配当の推移から、朝日工業社は配当性向で配当を出す会社であると思われます。
EPSが上昇して増配しているので、業績が良くて配当が増え、今後も4%を超える配当が期待できそうです。
しかし配当性向を考えてみると、2022年から2024年に41%程だったのが、今期は51.5%に上昇しています。
配当性向を切り上げたのであれば良いのですが、記念配当や特別配当で増配している可能性もあります。
もし記念配当等で増配していて、来期は配当性向41%程に戻るのであれば、今期の配当は80円程になり、配当利回りは3.6%になるので、インカム投資に該当しません。
しかも、今期の業績予想を見ると特別利益を計上しているようです。
もし特別利益がなく、配当性向41%程だった場合、今期の配当は70円程で配当利回り3.1%となります。

修正後の業績で確認してみても、配当性向49.8%と例年より高くなっていますし、やはり特別利益を計上しているようです。
もし特別利益がなく、配当性向41%程だった場合、今期の配当は85円程で配当利回り4.2%となります。
修正前と修正後を比べると、業績の上方修正による増配と株価の下落により、わずかに4%を上回りました。
しかし修正内容を確認すると、売上高は当初予想より減少し、営業利益以下が当初予想より増加しています。
売上高を伴わない修正ですので今後も続くとは限らず、配当85円が維持できるかは分析してみないとわかりませんので、修正後もインカム投資に該当するとの判断はこの段階ではできません。

それでは会社の開示情報を確認して、実際はどうだったのか確認してみます。
2022年から毎年、特別配当が入っていました。
株式分割したことを考慮すると、2022年は普通配当25円、特別配当5円で30円の配当、2023年は普通配当25円、特別配当15円で40円の配当、2024年は普通配当40円、特別配当20円で60円の配当、2025年の配当が100円予想だった時は、普通配当50円、特別配当30円、記念配当20円、修正後の配当が120円予想になると、普通配当50円、特別配当50円、記念配当20円です。
今期に特別利益を計上されているか確認すると、3Q時点で特別利益4億8800万円計上されていました。
この特別利益によってEPSも押し上げられ、今期は配当が高くなっていますが、来期以降はその分剥落してしまいます。
特別配当や記念配当、特別利益を確認したように、一時的な配当利回りで高配当だと思って投資すると、来期以降に後悔することになります。
そうならないためにも、事前に銘柄を見極めないといけません。

今回は配当利回りだけでインカム投資に該当すると判断しない例を解説しましたので、配当性向の判断や特別利益が計上されているかの見極めなどは、機会があれば別の動画で解説します。
ファンダメンタル分析塾では、配当性向の判断や特別利益が計上されているかの見極めなど、分析のノウハウを伝え、このような分析の練習を通して分析力を磨くことができます。
興味がある方は、概要欄からファンダメンタル分析塾のホームページをご覧ください。

前の動画  動画一覧