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「第2段階の分析 1407ウエストホールディングス」です。
10月4日時点の株価チャートが良い銘柄を10銘柄選び、会社四季報などファンダメンタルが一目できる情報を使って第1段階の分析を行いました。
10銘柄のファンダメンタル分析で、第2段階の分析の候補となった5銘柄のうちの1銘柄が1407ウエストホールディングスです。
第1段階の分析では、2024年の予想ROEが25%になっており、この業績が見込め、今後も常態化できるのであれば、PBR3.7倍は割安株投資の業績バリューに該当する可能性があるとの理由で第2段階の分析の候補になりました。
財務分析では、自己資本比率が低いがキャッシュは回りそうか、2019年や2022年の営業キャッシュフローのマイナスの理由、2021年以降の投資先、2023年の財務キャッシュフローが大きくプラスになっている理由を分析する必要がありました。
第1段階の分析の詳細は「第1段階の分析 10月4日株価チャート10選」の動画のリンクを概要欄に貼ってありますのでご覧ください。
ウエストホールディングスは10月15日に本決算が開示され、2024年の売上高は646億円予想が503億円に、営業利益は116億円予想が105億円に下方修正しました。
予想ROEが25%なので割安株投資の業績バリューに該当する可能性があったのですが、結果は20.9%で例年と変わりませんでした。
本決算と同時に2025年予想も発表され、ROE24%の予想なので、この業績が常態化できるのであれば割安株投資の業績バリューに該当することになります。
第2段階の分析は2025年の業績予想と今後の業績について分析して、投資の候補にして良いと思えば、もっと詳しく分析する第3段階以降の分析に繋げます。
まずは自分で分析して、私の分析と比べると分析力を上げることができますので、挑戦してみてください。
分析に必要な専門用語や分析方法は過去に説明しています。
概要欄にリンクを設けていますので、よろしければご覧ください。
それでは第2段階の分析を始めます。
業績の資料はホームページから閲覧できますので、概要欄のリンクから閲覧してください。
2024年から過去5年間の業績と2025年の会社予想はこのような状態です。
四半期ごとの業績はこのような状態です。
セグメントごとの業績と構成比率はこのような状態です。
セグメントごとの業績を四半期ごとにした1枚目がこのような状態です。
セグメントごとの業績を四半期ごとにした2枚目がこのような状態です。
まもなく分析の解説をしますので、動画を止めて分析してみてください。
それでは分析の解説です。
四半期ごとの業績を確認します。
売上高や利益を見ると4Q偏重の傾向があることがわかりますが、それ以外には2Qや3Qに偏ることもあれば、偏らないこともあり、売上高や利益が不規則になっています。
2022年3Qだけは営業損失になっており特別損失もあったと思われますが、それ以外は売上高に応じた利益になっています。
セグメントごとの業績を確認します。
再生可能エネルギー事業、省エネルギー事業、電力事業、メンテナンス事業、その他のセグメントがあり、
電力事業は2023年以降大幅に売上高が低くなっているので、事業を縮小した可能性が高いです。
直近の構成比率は再生可能エネルギー事業が売上高80%前後、営業利益70%前後あり、次いで電力事業が売上高10%前後、営業利益20%前後、メンテナンス事業が売上高4%前後、営業利益6%前後、省エネルギー事業が売上高も営業利益も3%前後となっています。
その他は売上高も営業利益もほぼありませんので無視します。
会社の業績のほとんどが再生可能エネルギー事業なので、再生可能エネルギー事業の業績がほぼ会社の業績であり、影響はかなり大きい状態です。
構成比率70〜80%の再生可能エネルギー事業の売上高は2023年以前横ばいでしたが、2024年17.8%増と大幅に増えました。
利益も2023年以前は売上高によって増減しているだけでしたが、2024年は売上高の増加により55.8%増と大幅に増加しています。
四半期ごとの業績を確認すると、4Q偏重の傾向があり、それ以外には2Qや3Qに偏ることもあれば、偏らないこともあり、再生可能エネルギー事業が80%を占めているので会社全体の業績とほぼ同じです。
今期ROE24%になるのか、例年通り20%前後なのかの分析のために重要なのは、2024年の売上高の増加は一時的なのか、2024年の売上高の成長が継続するのかです。
期によって売上高の上下はありますが、全体的に2023年2Qぐらいから売上高が一段切り上がっている可能性があります。
4Qなど売上高に偏りがある四半期を除くと、2023年1Q以前は50億円前後でしたが、2023年2Q以降は70億円前後になっています。
これは再生可能エネルギー事業の需要が増していることが考えられます。
ただ4Qなど売上高に偏りがある四半期について注目すると、4Qは198億円、166億円、149億円、181億円となっていますし、4Q以外は9億円が年に1回ある程度で、2023年2Q以降に需要が増していると言って良いかわかりません。
一時的な需要増加の可能性もありますので、今後の業績を見てみないと判断できません。
構成比率3%前後の省エネルギー事業は、売上高も営業利益もだんだん縮小しています。
構成比率10〜20%前後の電力事業は、2022年3Q以前の売上高と4Q以降の売上高で全然違います。
2022年3Q以前の利益の推移を見ると2021年は利益が出ていましたが、2022年は1Qがほぼ0、2Q以降は大きな赤字になったことで一部事業を縮小したと思われます。
2022年4Q以降の売上高は4Q、3Q、1Q、2Qの順に良い傾向があって、2023年より2024年の方が良くなっていますが、営業利益に関しては2024年上期までは前期より良かったですが、下期には前期より利益が落ちています。
2023年と2024年の合計では、売上高は9.7%増ですが、営業利益は16.8%減となっており、利益率が悪くなっています。
構成比率4〜6%前後のメンテナンス事業の売上高は3億円台、4億円台、5億円台と少しずつ増加してきて、営業利益も1億円以下、1億円台、2億円台と少しずつ増加しています。
構成比率70〜80%の再生可能エネルギー事業は判断できず、構成比率4〜6%前後のメンテナンス事業は良い傾向ですが、構成比率10〜20%前後の電力事業と構成比率3%前後の省エネルギー事業が悪い傾向になっていますので、再生可能エネルギー事業が良い傾向でないと会社全体は悪い傾向になります。
再生可能エネルギー事業が会社の業績の大部分を占めますので、再生可能エネルギー事業次第で大きく変わります。
今後の業績を見てみないと判断できません。
第2段階の分析はここまでですが、候補にして良いか判断できませんでしたので、第3段階の分析の財務分析だけ簡単にします。
第3段階の分析は会社が開示している全部の資料から分析しますが、財務分析は主に決算短信や有価証券報告書の財務三表を使います。
必要な資料は会社のホームページから見てください。
自己資本比率が低いがキャッシュは回りそうか、2019年や2022年の営業キャッシュフローのマイナスの理由、2021年以降の投資先、2023年の財務キャッシュフローが大きくプラスになっている理由を分析する必要があります。
まもなく分析の解説をしますので、動画を止めて分析してみてください。
まずは2021年以降の投資先です。
2021年と2022年のキャッシュフロー計算書を確認すると、2021年の投資キャッシュフローがマイナス40億円程の主な理由は32億円程の有形固定資産の取得、2022年の投資キャッシュフローがマイナス46億円程の主な理由は、51億円程の有形固定資産の取得です。
貸借対照表の有形固定資産を確認すると、2021年は建物及び構築物で2億円程、機械装置及び運搬具で10億円程、土地で20億円程増えていますので、これらに投資したと思われます。
機械装置及び運搬具は7億円程減っているように見えますが、減価償却費累計額が16億円程減っており、純額は9億円程増えています。
これは古い機械装置及び運搬具を破棄して新しい機械装置及び運搬具を導入したことで生じるので、新しい物に交換した可能性もあります。
2022年は建物及び構築物で3億円程、機械装置及び運搬具で105億円程、土地で36億円程増えていますので、これらに投資したと思われます。
有形固定資産の取得は51億円程で、有形固定資産の増えた額が144億円程ですので、93億円程計算が合いませんが、一部の子会社を廃止したことが影響していると思われます。
2023年と2024年のキャッシュフロー計算書を確認すると、2023年の投資キャッシュフローがマイナス53億円程の主な理由は39億円程の有形固定資産の取得、決算が開示されたことでわかった2024年の投資キャッシュフローがマイナス101億円程の主な理由は75億円程の有形固定資産の取得です。
貸借対照表の有形固定資産を確認すると、2023年は機械装置及び運搬具で26億円程、土地で16億円程増えていますので、これらに投資したと思われます。
2024年は機械装置及び運搬具で15億円程、土地で96億円程増えていますので、これらに投資したと思われます。
有形固定資産の取得は75億円程で、有形固定資産の増えた額が100億円程ですので、25億円程計算が合いません。
何が原因かわかりませんが、この会社は決算短信が間違っていて、有価証券報告書で訂正されていることが頻繁にあるので、何かが間違っていることも考えられます。
2021年以降の投資先は有形固定資産の取得が主であり、機械装置及び運搬具と土地に主に使っていました。
これらの投資の効果で2024年の再生可能エネルギー事業が増加したのであれば、2024年は1段切り上がったと見ることができますし、継続して投資していますので、今後も切り上げて成長していく可能性もあります。
ただ憶測での話であるので、今後業績を確認する際にはその可能性を頭に置いた上で業績を確認する必要がありますし、第3段階の分析をする際にはどの事業に投資したのか、その投資資金を回収するのにどれぐらいかかりそうかを調べる必要があります。
次に2023年の財務キャッシュフローが大きくプラスになっている理由です。
2023年のキャッシュフロー計算書を確認すると、2023年の財務キャッシュフローがプラス165億円程になっている主な内訳は、長期借入を169億円程返済し、354億円程を借入ました。
借入が多かった理由は2024年の決算が開示されたことで理由がわかりました。
先ほど説明したように、2024年の投資キャッシュフローがマイナス101億円程でした。
2024年のキャッシュフロー計算書を確認すると、財務キャッシュフローではマイナス85億円程で、支出の主な内訳は借入の返済で179億円程、借入で145億円程なので、差引34億円程、自社株買いで27億円程、配当金の支払いで22億円程です。
それに対して営業キャッシュフローはプラス2億円程でしかなく、現金同等物が184億円減ることを見越して事前にキャッシュを増やしたと思われます。
次に2019年や2022年の営業キャッシュフローのマイナスの理由です。
2019年のキャッシュフロー計算書を確認すると、2019年の営業キャッシュフローのマイナス74億円程の主な理由は、売上債権の増加が43億円程、たな卸資産の増加が71億円程、法人税等の支払額が32億円程です。
2022年のキャッシュフロー計算書を確認すると、2022年の営業キャッシュフローのマイナス67億円程の主な理由は、棚卸資産の増加が109億円程、仕入債務の減少が34億円程、未収入金の増加が17億円程、法人税等の支払額が39億円程です。
先日開示された2024年のキャッシュフロー計算書を確認すると、2024年の営業キャッシュフローはマイナスではなかったものの、プラス2億円程でした。
主なマイナス要素は売上債権の増加が107億円程で、営業キャッシュフローがほぼ0になりました。
数年に1度営業キャッシュフローがマイナスや0になり、その主な原因は売上債権の増加と棚卸資産の増加です。
最後に自己資本比率が低いがキャッシュは回りそうかです。
自己資本比率が26%であり、現金同等物が278億円程に対して有利子負債が754億円程なので、営業キャッシュフロー内で投資をしながら返済も進めないと厳しい状態です。
営業キャッシュフローの主なマイナス要因は先ほど述べたように売上債権の増加と棚卸資産の増加です。
売上債権と棚卸資産について、キャッシュフロー計算書で2019年からの推移を確かめます。
売上債権は2019年に43億円程増加、2020年に8億円程減少、2021年に48億円程増加、2022年に42億円程減少、2023年に3億円程減少、2024年に107億円程増加しています。
棚卸資産は2019年に71億円程増加、2020年に45億円程増加、2021年に23億円程増加、2022年に109億円程増加、2023年に20億円程減少、2024年に10億円程減少しています。
売上高が年々増えている訳ではないので、売上債権も棚卸資産も積み上がり過ぎていて、売上債権や棚卸資産を減らさないと自己資本比率を改善できません。
このままの状態で例年通り投資しようとすればキャッシュが足りず、増資も考えられます。
結論です。
会社の業績の大部分を占める再生可能エネルギー事業が、今後の業績を見ないと判断できませんでした。
財務分析をすると、売上債権の増加と棚卸資産の増加が理由でキャッシュを稼げていない、積極的に投資を行って投資を抑えるどころか増やしている、キャッシュが足りないから借入でまかなって財務が悪くなる、このままではキャッシュが足りなくなりそうな状態です。
積極的に借入を使って投資していて、投資に失敗したら転落しかねない綱渡り状態になっています。
投資の効果が出て上手く渡り切れるかどうかはもう少し様子を見ないとわかりませんが、現段階での投資は危険度が高いです。
第3段階の分析をすると投資の効果などを確認できるかも知れませんが、財務が良くないと投資するのは危険ですので、お勧めできません。
他にも前期の決算を下方修正したこと、決算短信の財務三表に間違いが多く、有価証券報告書で訂正されていることなど、良い印象はありません。
分析はここで終了して、第3段階の分析はしないことにします。
財務分析は第3段階の分析でしますが、今回は第2段階で簡単に財務分析することで、投資候補から除外しました。
第2段階の分析で投資候補になると判断した銘柄は、第3段階の分析を行います。
第3段階の分析は徹底的に分析するので、時間も労力もかかります。
第2段階の分析で投資候補から除外できる銘柄はしっかり除外して、投資候補銘柄として見込みのある銘柄で第3段階の分析をする必要があります。