本文へスキップ

株式投資の学習や銘柄分析の学習などの動画を配信しています。

トップページ > 銘柄分析動画 > ゼロから始めるファンダメンタル分析 > 疑問点編

ゼロから始めるファンダメンタル分析 疑問点編

 

「ゼロから始めるファンダメンタル分析 疑問点編」です。

私が銘柄分析のために習得すべきと思う内容を、銘柄分析の難易度に応じて考えた段級位です。
10級から順に練習すれば、だんだん銘柄分析の実力を付けることができます。
段級位の表や詳細はホームページに記載していますので、概要欄からホームページにアクセスしてチェックしてください。
疑問点編では、銘柄分析5級のファンダメンタルを一目できる情報で例年との違いに気付く方法について解説します。
また挙げた疑問点を解決するために、銘柄分析初段のセグメントごとの業績から会社全体の業績の現状を理解、銘柄分析4段の財務三表を理解して業績や財務の疑問点を解決について解説します。
例年との違いに気付いて、それは何が原因か調べることで業績の理解を深めるだけでなく、今後の業績に与える影響を察知したり、いち早く成長鈍化や成長加速に気付いたりして、人より優位に投資できるようになります。
会社四季報などのファンダメンタルを一目できる情報から、優位に投資するための例年との違いに気付き方と原因の調べ方について説明します。


実際にファンダメンタルを一目できる情報で説明します。
2395新日本科学の会社四季報などに記載されている過去5年間の業績、今期の会社予想、配当、キャッシュフローです。
まずは業績を確認します。
売上高に着目すると、2021年が3%増でしたが、2022年が17%増、2023年が41%増となり、2022年、2023年に急増しています。
営業利益に着目するために営業利益率を計算すると、2021年までは15%前後で推移していましたが、2022年に23%、2023年に20%となり、2022年、2023年に営業利益率が良くなっています。
その後、2024年にまた15%に戻り、2025年は予想ではありますが7%まで落ち込み、2024年以降営業利益率が低下しています。
経常利益に着目するために経常利益と営業利益の差を計算すると、2020年はプラス9億円程、2021年はプラス11億円程で、10億円前後経常利益の方が多くなっていましたが、2022年以降は順にプラス29億円程、プラス39億円程、プラス28億円程、今期は予想ですがプラス30億円程と経常利益の方が多くなっています。
営業利益より経常利益の方が多くなる主な理由は、営業外費用より営業外収益の方が多く計上されているからです。
純利益に着目するために経常利益に対する純利益率を計算すると、2020年は81%と高く、2021年と2022年に関しては100%を超えており、純利益の方が多くなっています。
経常利益に対する純利益率が高くなる主な理由は、特別損失より特別利益の方が多く計上されているからです。
業績における例年との違いは、売上高が2022年、2023年に急増したこと、営業利益率が2022年、2023年に改善したこと、2024年以降は低下していること、2022年以降に営業外収益が増えたこと、2020年から2022年に特別利益が多く計上されていたことがありました。


次にキャッシュフローを確認します。
営業キャッシュフローに着目するために営業キャッシュフローと経常利益の差を計算すると、2020年はマイナス1億円程、2021年はプラス11億円程、2022年はマイナス11億円程で、10億円前後の差でしたが、2023年はマイナス52億円程、2024年はマイナス49億円程で、2023年以降大幅に経常利益より営業キャッシュフローが少なくなっています。
営業キャッシュフローの基本となる金額は経常利益ではなく税引前当期純利益であり、経常利益に特別利益と特別損失を計上した額ですが、ファンダメンタルを一目できる情報で確認する際は特別利益と特別損失がわからないので、経常利益で確認するのが確認しやすいです。
経常利益より営業キャッシュフローが少なくなる主な理由は、減価償却費、売上債権、棚卸資産などのキャッシュの増減により経常利益ほどキャッシュが増えていないからです。
投資キャッシュフローに着目すると、2020年はマイナス14億円程、2021年はマイナス2億円程で、マイナス10億円前後でしたが、2022年にマイナス42億円程、2023年にマイナス59億円程、2024年にマイナス69億円程で、2022年以降大幅に投資額を増やしています。
財務キャッシュフローに着目すると、2020年はマイナス15億円程、2021年はマイナス25億円程、2022年はマイナス49億円程とマイナス額が年々増えています。
しかし2023年はプラス62億円程、2024年はプラス53億円程で、2023年以降一転してプラスになり、額も大きくなっています。
キャッシュフローにおける例年との違いは、2023年以降大幅に経常利益より営業キャッシュフローが少なくなっていること、2022年以降大幅に投資額を増やしていること、2020年から2022年まで財務キャッシュフローのマイナス額が年々増えていること、2023年以降財務キャッシュフローがプラスになり、額も大きくなっていることがありました。


例年との違いを挙げましたので、次はその原因を調べる必要があります。
まずセグメントごとの業績から会社全体の業績の現状を理解します。
過去5年間と今期は2Qまでの会社全体の業績とセグメントごとの業績です。
報告セグメントとして、CRO事業、トランスレーショナルリサーチ事業、メディポリス事業があります。
例年との違いとして、売上高が2022年、2023年に急増していました。
CRO事業の構成比率が95%以上あり、CRO事業の売上高が2022年、2023年に急増しているので、会社全体の売上高も2022年、2023年に急増していました。
銘柄分析としては、なぜCRO事業の売上高が急増したのか深掘りする必要がありますが、今回の内容から逸れるので深掘りはしないでおきます。
例年との違いとして、営業利益率が2022年、2023年に改善していました。
2022年以降のCRO事業の売上高に合わせてCRO事業の営業利益率も改善しており、他のセグメントは例年通り赤字なので、CRO事業の営業利益率改善が会社全体の営業利益率の改善になっています。
銘柄分析としては、CRO事業の営業利益率の改善が売上高以外にもあるのか深掘りする必要がありますが、今回の内容から逸れるので深掘りはしないでおきます。
例年との違いとして、営業利益率が2024年以降は低下していました。
2024年もCRO事業の営業利益率は高い水準を保っていますが、トランスレーショナルリサーチ事業が大幅に赤字になっていることで会社全体の利益を低下させ、営業利益率が低下しています。
今期は2Qまでの決算ですが、トランスレーショナルリサーチ事業の赤字がすでに前期の72%になっており、前期以上に会社全体の利益を低下させ、営業利益率の低下になる予想になっていると思われます。
銘柄分析としては、なぜトランスレーショナルリサーチ事業が大幅に赤字になっているのか深掘りする必要がありますが、今回の内容から逸れるので深掘りはしないでおきます。


次に財務三表を理解して業績や財務の疑問点を解決します。
例年との違いとして、2022年以降に営業外収益が増えたことがありました。
損益計算書を確認すると、2022年は為替差益が13億円程、持分法による投資利益が14億円程あり、営業外収益のプラス29億円程の主な項目です。
2023年は為替差益が15億円程、持分法による投資利益が24億円程あり、営業外収益のプラス39億円程の主な項目です。
2024年は持分法による投資利益が27億円程あり、営業外収益のプラス30億円程の主な項目です。
営業外収益30億円前後は、為替差益と持分法による投資利益が計上されていました。
例年との違いとして、2020年から2022年に特別利益が多く計上されていたことがありました。
損益計算書を確認すると、2021年、2022年は特別利益として関係会社株式売却益が計上されており、経常利益より当期純利益の方が大きくなっています。
2020年は特別利益よりも特別損失の方が大きいですが、どちらも大きな額ではありません。
次に考えられる理由は税金で、2019年には法人税等調整額がマイナス3億5000万円程で法人税等合計がマイナス3億円程になっており、2020年も法人税等調整額がマイナス5000万円程になっています。
2017年、2018年の業績を確認すると赤字になっており、2019年だけでは赤字分を埋めることができず2020年も税金が軽減されています。
例年との違いとして、2023年以降大幅に経常利益より営業キャッシュフローが少なくなっていました。
キャッシュフロー計算書を確認すると、2023年の営業キャッシュフローは税金等調整前当期純利益より27億円程、2024年は48億円程少なくなっています。
それ以前と比較するために2021年は6億円程多く、2022年は22億円程少なくなっています。
2022年の営業キャッシュフローは経常利益からマイナス11億円程でしたが、特別利益で税引前当期純利益が大きくなっていましたので、営業キャッシュフローは税金等調整前当期純利益より22億円程少なくなっていることがファンダメンタルを一目できる情報ではわかりませんでした。
2022年の主なキャッシュの減少は、為替差益で13億円程、持分変動損益で3億円程、棚卸資産の増減額で3億円程あります。
持分法による投資損益は2021年も8億円程ありますが、2022年は14億円程キャッシュの減少になっています。
2023年の主なキャッシュの減少は、前受金の増減額で7億円程、仕入債務の増減額で2億円程あります。
為替差益は2022年も13億円程ありますが2023年は16億円程、持分法による投資損益は2022年も14億円程ありますが2023年は24億円程、売上債権の増減額は2022年も4億円程ありますが2023年は9億円程、棚卸資産の増減額は2022年も3億円程ありますが2023年は9億円程キャッシュの減少になっています。
2024年の主なキャッシュの減少は、受取利息及び受取配当金で1億円程、棚卸資産の増減額で50億円程あります。
関係会社株式売却益や持分法による投資損益などは毎年のようにありますが、利益なので問題はなさそうです。
2022年、2023年は為替の影響がありましたが、これは会社に問題がある訳ではありません。
棚卸資産が2022年は3億円程、2023年は9億円程と年々増加しており、2024年は50億円程と大幅に増加しています。
銘柄分析としては、なぜ棚卸資産が増加しているのか深掘りする必要がありますが、今回の内容から逸れるので深掘りはしないでおきます。
例年との違いとして、2022年以降大幅に投資額を増やしていました。
キャッシュフロー計算書を確認すると、2022年の投資キャッシュフローの主な投資は、定期預金の預入による支出36億円程あります。
2023年の投資キャッシュフローの主な投資は、有形固定資産の取得による支出が48億円程、投資有価証券の取得による支出が15億円程、連結の範囲を伴う子会社株式の取得による支出が19億円程あります。
2024年の投資キャッシュフローの主な投資は、有形固定資産の取得による支出が85億円程、投資有価証券の取得による支出が2億円程、連結の範囲を伴う子会社株式の取得による支出が8億円程あります。
2022年はキャッシュを主に定期預金にしていましたが、2023年以降は固定資産の取得や有価証券の取得など事業に関係する投資を行っていた可能性があります。
銘柄分析としては、どこに投資しているのか深掘りする必要がありますが、今回の内容から逸れるので深掘りはしないでおきます。
例年との違いとして、2020年から2022年まで財務キャッシュフローのマイナス額が年々増えていました。
キャッシュフロー計算書を確認すると、2020年の短期借入金が59億円程の返済、長期借入金が90億円程と41億円程の返済により、借入合計は10億円程返済しています。
配当金は5円で、支払額は1億円程です。
2021年の短期借入金が20億円程の返済、長期借入金が45億円程と45億円程の返済により、借入合計は20億円程返済しています。
配当金は20円で、支払額は2億円程です。
2022年の長期借入金35億円程返済しています。
配当金は40円で、支払額は8億円程です。
2020年から2022年にかけて配当金を増配し、借入の返済を進めて、2022年には定期預金の預入もしていたように資金に余裕がある状態です。
例年との違いとして、2023年以降財務キャッシュフローがプラスになり、額も大きくなっていました。
キャッシュフロー計算書を確認すると、2023年の短期借入金が40億円程、長期借入金が103億円程と54億円程の返済により、借入合計は89億円程です。
2024年の短期借入金が39億円程の返済、長期借入金が177億円程と62億円程の返済により、借入合計は75億円程です。
2023年以降は積極的に投資を行っており、投資資金として借入を行っています。
また、2022年末の現金及び現金同等物は45億円程でしたが、2023年末、2024年末には100億円前後の現金及び現金同等物を準備しています。


ファンダメンタルを一目できる情報で例年との違いに気付く方法、セグメントごとの業績から会社全体の業績の現状を理解して疑問点の解決例、財務三表を理解して業績や財務の疑問点の解決例について解説しました。
第1段階の分析の例年との違いが、第2段階の分析、第3段階の分析の追及点になります。
今回は深掘りすることはしませんでしたが、追及することで深掘りする点が見つかり、さらに深掘りすることで業績の理解が深まります。
例年との違いに気付くことが、業績の理解に繋がり、今後の業績に与える影響を察知したり、いち早く成長鈍化や成長加速に気付いたりして、人より優位に投資できるようになります。
ファンダメンタルを一目できる情報で例年との違いに気付くことは、銘柄分析のために大切な作業です。
ホームページでは、ファンダメンタル分析が学習しやすい環境を整えています。
ファンダメンタル分析を学びたい方は、概要欄からホームページにアクセスしてチェックしてください。
今回の内容をもっと詳細に説明した動画は、概要欄にリンクを設けていますので、よろしければご覧ください。

前の動画  動画一覧  次の動画