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「4261アジアクエスト」です。
1東証グロース市場に上場している4261アジアクエストを、ファンダメンタル分析の観点から詳しく見ていきます。
果たして、この銘柄は本当に投資に値するのかを、段階的に見極めていきます。
まずはアジアクエストの事業内容を簡単に説明します。
企業のDXを実現する為、デジタルインテグレーションサービスを提供しています。
AIやクラウドなど複数のデジタル技術を組み合わせて活用する、複合型インテグレーターです。
コンサルティングからシステム開発、プロダクト開発まで一気通貫でDXを実現しています。
それではファンダメンタル分析を始めます。
私は3つの段階に分けて分析しています。
3段階に分けて説明しながら、株価チャートも含めて投資する価値があるか判断します。
まずは第1段階の分析で、どの投資スタイルに該当するか、財務的に問題がないか確認します。
第1段階の分析で投資する価値のある銘柄かどうか確認することで、第2段階以降の分析が効率的に行えます。
会社四季報などファンダメンタルが一目できる情報を確認すると、過去5年間の業績と今期の会社予想、過去5年間の配当とキャッシュフロー、今期の予想配当と予想配当利回りはこのような状態です。
まずは収益分析と株価分析から、どの投資スタイルに該当するか判断します。
配当はありませんので、インカム投資には該当しません。
売上高の成長率は、ほぼ20%以上であり、直近の2024年は30%弱、今期も30%弱を維持する予想ですので、成長株です。
5月30日時点でPER10倍を下回っており、成長率に対して割高感はありませんので、成長株投資に該当します。
この直近の成長性が続くのであればPER20倍を超えていても妥当なので、割安な成長株投資にも該当します。
PBRは2倍なので割安株投資の資産バリューには該当しません。
直近の2024年や今期予想のROE19%が続くとすると、PBR4倍ぐらいが妥当なので、割安株投資の業績バリューには該当することになります。
しかし成長株であれば今後の資産の変化は大きく、業績バリューは参考程度と考えた方が良さそうです。
次に財務分析から投資して大丈夫そうか判断します。
自己資本比率は65%あり、有利子負債は1億5000万円程で、現金及び現金同等物が15億円ほど、2024年の純利益が2億9000万円程であることを考えると、財務的に問題なさそうです。
投資スタイルとしてはインカム投資には該当しませんが、成長株投資にも割安な成長株投資にも該当します。
資産バリューには該当せず、成長株なので業績バリューは参考程度ですが該当する可能性があります。
該当する投資スタイルがあり、財務的には問題なさそうです。
第1段階の分析では投資する価値のある銘柄として、第2段階の分析も行う価値がありそうです。
その前に、株価チャートを確認してみます。
上場以降の週足チャートです。
上場後に下落した後、横ばいが続いています。
一時的に上昇した後から横ばいは1年、一時的な上昇も横ばいの一部と考えると3年8カ月横ばいが続いていることになります。
横ばいの間、上昇エネルギーを溜めているので、割安の是正で上昇し始めると長期的な上昇か、急上昇が期待できるチャートになっています。
割安な成長株投資にとっては、理想的なチャートと言えます。
第2段階以降の分析で投資する価値のある銘柄かどうか確認する前に、第1段階の分析として会社四季報などファンダメンタルが一目できる情報から疑問点を挙げます。
売上高の成長率を確認すると、2024年、今期予想は30%弱と成長が加速しています。
営業利益率を確認すると、2023年以降は10%前後に悪化しており、今期予想も10%と悪化した状態が続いています。
営業キャッシュフローを確認すると、2022年と2023年が利益の額に対して少なくなっています。
投資キャッシュフローを確認すると、2024年に大きな投資を行っていると思われます。
財務キャッシュフローを確認すると、2021年以前はキャッシュがプラスになっています。
ストアカでは、アジアクエストが理想的なチャートであるように「どのようなチャートの銘柄が上昇するのか?」、どの投資スタイルに該当するか判断しているように「有望な銘柄の発掘」、業績の理解を深めるために疑問点を挙げたように「会社四季報から疑問点を挙げるためのポイント」を学ぶことができます。
概要欄のURLからストアカの講座をチェックしてみてください。
次は第2段階の分析で、業績を詳細に分析したり、第1段階の疑問点を解決したり、新たな疑問点を挙げたりします。
疑問点を解決することで、その銘柄に対する理解が深まります。
2022年以降の業績を四半期ごとに分解します。
売上高を確認すると、2023年4Qから成長が加速しています。
2023年は加速したのが4Qだけでしたが、2024年は通期に渡って加速していたので、2024年以降成長が加速していました。
なぜ2023年4Qから成長が加速したのかが新たな疑問点です。
営業利益率を計算して確認すると、2023年2Q、3Q、2024年2Q、4Q、2025年1Qの営業利益率が低くなっています。
2023年以降でもそれらの四半期以外は15%前後の利益率になっていますので、それらの四半期が利益率を押し下げて10%前後に悪化していました。
なぜそれらの四半期は利益率が低くなっているのかが新たな疑問点です。
第2段階の分析では、業績を四半期ごとに分解するだけではなく、セグメントごとに分解して分析するのですが、アジアクエストは単一セグメントなので、セグメントごとに分解はありません。
次は第3段階の分析で、業績をKPIに分解して分析したり、第1段階や第2段階の疑問点を解決したりして、その銘柄に対する理解を深めます。
まずは2022年と2023年の営業キャッシュフローが利益の額に対して少なくなっている疑問点です。
2022年と2023年のキャッシュフロー計算書の営業キャッシュフローを確認します。
税を除くと、2022年と2023年のどちらも主なキャッシュの減少は売上債権の増加によるもので、売上高の増加が影響していると思われます。
成長企業にはよくあることであり、問題はなさそうです。
次に2024年に大きな投資を行った疑問点です。
2024年のキャッシュフロー計算書の投資キャッシュフローを確認します。
有形固定資産の取得で2億円程マイナスになっています。
何を取得したか有価証券報告書で確認すると、建物で約2億円増加していました。
2024年4Qにオフィスの拡張移転を行っており、それが主な投資先だと思われます。
次に2021年以前の財務キャッシュフローがプラスになっていました。
2020年と2021年のキャッシュフロー計算書の財務キャッシュフローを確認します。
2020年の主なキャッシュの増加は長期借入によるもの、2021年の主なキャッシュの増加は株式の発行によるものです。
アジアクエストは2021年に上場しており、2021年の株式の発行は上場によるものです。
上場前の資金として2020年の長期借入は、2021年から2024年まで返済し続け、現在の財務状態になっています。
キャッシュフローの3つの疑問点は、問題なさそうです。
次に第2段階の分析で挙がった疑問点、なぜ2023年4Qから成長が加速したのか、なぜ2023年2Q、3Q、2024年2Q、4Q、2025年1Qは営業利益率が低くなっているのかです。
2021年以降の業績を四半期ごとに分解したものに、売上原価と販管費、エンジニア数とQoQでエンジニアの増加数を計算した物、エンジニア1人当たりの売上高を計算した物を加えました。
売上原価率はほぼ52%前後で推移しています。
エンジニアの増加数でオレンジになっている2Qは新卒が加わる四半期で、新卒はすぐに売上高に貢献する訳ではなくエンジニア数だけ増えるので、エンジニア1人当たりの売上高は2Qに大幅に減少する傾向になります。
またベテランエンジニアも新卒エンジニアの教育に当たるので、稼働率が下がって、1人当たりの売上高が減少してしまいます。
そのように売上高に貢献しないエンジニアの人件費は、売上原価に入らず販管費に入るので、オレンジのように販管費率が上昇して、売上高は少なく販管費が多くなるので、営業利益が少くなる傾向になります。
ただ3Q以降は新卒エンジニアが少しずつ稼働して、1Qにかけてエンジニア1人当たりの売上高は少しずつ上昇していき、販管費率が少しずつ下がっていくのが毎年の傾向です。
2Q以外の販管費率が高い四半期について確認します。
2021年4Qは上場準備に諸経費が増加したことで一時的です。
2023年2Q、3Qは大口案件の開始時期が延期になったために、エンジニアの稼働率が下がって、エンジニア1人当たりの売上高は悪化して販管費が増加しました。
2024年4Qはオフィスの拡張移転に伴う一時費用の増加と地代家賃の増加によって、販管費が増加しました。
2025年1Qも販管費率が高くなっています。
その販管費を確認する前に、2024年2Qからエンジニアの増加の傾向が変わったことに着眼する必要があります。
それ以前は新卒が入る2Q以外の四半期の増加数は数名増えるか減るか程度でしたが、2024年3Q、4Qは8人、2025年1Qは11人増加しています。
会社も今後エンジニアを増やす計画でオフィスを拡張移転したと思われます。
2023年4Qにエンジニア1人当たりの売上高を2021年以降最高の337万円まで高めることができ、2024年4Qには更新して360万円にしています。
エンジニア1人当たりの売上高を高く保つことができ、2024年2Q以降はエンジニアも増加させたことにより、2023年4Qからの成長加速に繋がりました。
2025年1Qの販管費は、オフィスの家賃上昇、エンジニアの採用費、採用したエンジニアの未稼働期間の人件費など販管費を増加させています。
なぜエンジニアを増加させているのかが新たな疑問点です。
取引金額階層別売上高を確認します。
2022年は4000万円以上が53%増、1億円以上が21%増と大口取引が増えています。
2023年は4000万円以上が80%増、2024年は1億円以上が96%増と、さらに大口取引が増え、エンジニアを増加させている理由のようです。
どこが主な取引先なのか有価証券報告書で確認すると、2023年はアイデムが11.9%でしたが、2024年は金額が増えているものの10%を切っており、10%を超えている取引先はありませんでした。
複数の取引先と大口取引ができており、複数の会社から評価されるようになっていることがわかります。
複数の取引先と大口取引できれば、2023年のような1社で取引開始の延期が起こっても影響は軽微になります。
これらのわかった情報を基に今後の業績がどのように推移しそうか予想し、投資する価値があるのか判断します。
大口取引が増えて評価されるようになったことから、需要を取り込むために、今後もエンジニアを増やすことが考えられます。
2024年2Q以降を基に、2Qは新卒、中途採用含め2024年同様の40人、2025年は少し増やして50人、2Q以外の四半期は2025年が10人、2026年が15人増えると予想します。
過去の傾向を基に、エンジニア1人当たりの売上高は2Qにどの程度下落し、1Qにかけてどの程度上昇するかを予想します。
これにより売上高が計算できます。
売上原価率は52%前後なので52.5%と予想し、販管費はイレギュラーな緑の部分を避けて過去の傾向を基に予想しました。
これにより営業利益が計算できます。
これらを通期決算にして、EPS、BPS、ROE、5月30日の終値2271円でPER、PBRなどを計算しました。
業績予想の数字を当てるのが目的でなく、業績の推移を予想して投資する価値があるかを判断するのが目的であることを前置きした上で、数字について言及します。
2025年、2026年は売上高が24%増、25%増ですが、営業利益が10%増、97%増となっています。
営業利益率を計算すると9.9%、15.6%となっており、2025年には重荷になっていた家賃や採用費などの負担割合が、2026年には売上高の上昇で軽くなることで利益率上昇になります。
売上高は25%増を維持できる予想なので成長株であり、PER9.9倍は割高ではなく成長株投資に該当します。
売上高25%増を維持できるのであればPER20倍ぐらいが妥当なので、割安な成長株投資にも該当します。
フェアバリューを目標株価とした場合、2025年は2倍近くの4500円、利益率が切り上がる2026年は4倍近くの9000円が狙えることになります。
成長株なので割安株投資の業績バリューは参考程度ですが、2025年のROE18%でもPBR1.7倍は割安なので、割安株投資の業績バリューには該当します。
2025年のROE18%が続くとするとPBR3.7倍ぐらい、2026年のROE28%が続くとするとPBR7倍ぐらいが妥当なPBRです。
フェアバリューを目標株価とした場合、2025年は5200円、ROEが切り上がる2026年は13000円が狙えることになりますが、業績バリューはあくまで参考です。
このように割安な成長株投資として有望な銘柄が、一時的な上昇を含めて3年8カ月横ばいが続いて上昇のエネルギーを溜めています。
割安の是正が始まると大きく跳ねそうな予感がします。
ファンダメンタル分析塾では、このような分析がファンダメンタルの知識0からでもできるようになります。
しっかりとした授業と練習でファンダメンタルの知識を含め、第1段階の分析から第3段階の分析まで、分析ができるようにサポートしています。
ストアカでは、第1段階の分析の方法である「有望な銘柄の発掘」「会社四季報から疑問点を挙げるためのポイント」、株価の上昇しやすい特徴である「どのようなチャートの銘柄が上昇するのか?」を学ぶことができます。
詳しくは概要欄のURLからホームページをチェックしてみてください。
アジアクエストのファンダメンタル分析をしてみましたが、ファンダメンタルもチャートも良く、数年後が楽しみな銘柄です。
私の分析は参考にしてもらって構いませんが、ご自身で分析し、ご自身の判断と責任で投資を行ってください。