トップページ > 銘柄分析動画 > ファンダメンタル分析 > 2112塩水港精糖
「第3段階の分析2112塩水港精糖」です。
10月4日時点の株価チャートが良い銘柄を10銘柄選び、会社四季報などファンダメンタルが一目できる情報を使って第1段階の分析を行いました。
その後、第2段階の分析で投資候補銘柄として見込みがあるので第3段階の分析をすることが決まったうちの1銘柄が2112塩水港精糖です。
第1段階の分析、第2段階の分析では、ROE9%前後だとするとPBR0.6倍は割安で、割安株投資の業績バリューに該当するとの理由で投資候補になりました。
砂糖事業の構成比率が大きいので、ほぼ砂糖事業が会社全体の業績を牽引していました。
砂糖事業の売上高は順調に成長していましたが、営業利益は2022年4Qから2023年4Qまで小さくなって2024年上期には2022年並みに戻り、下期から2025年にかけて営業利益が大きくなっていました。
その理由が投資なのか、原料価格の高騰なのかわからず、第3段階の分析では売上高が増えた理由、利益率が改善・向上した理由を調べる必要があります。
バイオ事業の成長はありませんが、毎期安定して18億円程の売上高と4億円程の営業利益を出していました。
その他は売上高も営業利益もほぼ一定していました。
経常利益は営業外収益により例年1億円程計上されていて、営業利益より大きくなる傾向がありました。
第1段階の分析の詳細は「第1段階の分析 10月4日株価チャート10選」の動画、第2段階の分析の詳細は「第2段階の分析2112塩水港精糖」の動画のリンクを概要欄に貼ってありますのでご覧ください。
第3段階の分析では、砂糖事業の売上高が増えた理由、利益率が改善・向上した理由を調べること、業績から見込めるROEを分析する必要があります。
まずは自分で分析して、私の分析と比べると分析力を上げることができますので、挑戦してみてください。
分析に必要な専門用語や分析方法は過去に説明しています。
概要欄にリンクを設けていますので、よろしければご覧ください。
第3段階の分析に入る前に、前回の第2段階の分析後、11月8日に第2四半期の決算発表がありました。
売上高は3.8%増ですが、営業利益は160.1%増になり、売上高の進捗率は52%、営業利益の進捗率は83%となりました。
2Qの業績を確認すると、売上高は1.1%増ですが、営業利益は223%増となり、1Qの営業利益114%増以上に好調でした。
セグメントごとの業績を確認すると、バイオ事業とその他は例年通りですが、砂糖事業の営業利益が117%増と好調でした。
第2段階の分析でも計算した砂糖事業の営業利益率を確認すると、2024年3Q以降利益率が上昇し続けています。
2025年2Qは13.6%まで上昇し、前期の2倍以上の利益率、低い時の3倍以上の利益率になっています。
上方修正は出ていませんが、絶好調の業績で、予想を上振れる可能性が高い決算でした。
それでは第3段階の分析を始めます。
まずは事業構造を理解しないと分析できないので、簡単に説明します。
セグメントとして、砂糖事業とバイオ事業とその他があります。
砂糖事業とバイオ事業は粗糖を仕入れて、砂糖やバイオ製品を製造し、販売しています。
その他は賃貸収入です。
砂糖事業の2022年1Qから2025年2Qの売上高です。
3Qに売上高が大きくなる季節的要因がありますが、季節的要因を除くと順調に成長しているように見えます。
ただ、各四半期末の上白1sあたりの国内市中価格を確認すると、砂糖の価格も上昇しています。
それらから販売量を計算すると、3000万s前後で上下しているだけで、販売量は増えておらず、ほぼ一定です。
販売価格が上昇しているので売上高が増加しており、売上高が増加していても供給量が増えている訳ではありません。
各四半期末のニューヨーク市場粗糖先物相場を確認すると、2024年2Qまでは上昇していますが、3Q以降は落ち着いています。
ニューヨーク市場粗糖先物相場は1ポンドあたりの価格で、単位はセントです。
粗糖先物相場は落ち着いていますが、国内市中価格は上昇していますので、その差額が利益率の上昇になっている可能性があります。
各四半期末のドル円の為替相場を確認すると、円安になっています。
会社は為替も粗糖先物のリスクヘッジをしていますし、国内の粗糖も仕入ているので、実際の仕入価格はわかりません。
実際の仕入価格と違いますが、各四半期末の為替と粗糖先物価格で粗糖1s当たりの仕入れ価格を計算します。
粗糖1sから砂糖1sが製造できる訳ではありませんが、2つの差額が大きい方が利益出やすいので、国内市中価格と粗糖先物相場の差額を計算して、砂糖事業の営業利益率と比べてみます。
2024年3Q以降に差額は大きくなっていますので営業利益率の上昇は理解できますが、2025年2Qには1Qより差額が小さくなっていても営業利益率は上昇していますし、2022年4Qから2023年4Qの差額と営業利益率の低下は一致していません。
売上高が増えた理由はわかりましたが、利益率が改善・向上した理由には不十分です。
第3段階の分析では、セグメント別に分析するのが良いですが、そのためにはセグメント別に分析できるデータが必要になります。
塩水港精糖は公表しているデータがあまりありませんので、セグメント別に分析できるのはここまででした。
他に公表しているデータとして貸借対照表や損益計算書のデータを使うこともできますが、セグメント別ではなく会社全体のデータになります。
砂糖事業の構成比率が非常に高く、ほぼ砂糖事業の業績が会社の業績になっていること、砂糖事業の供給量があまり変わっていないこと、バイオ事業やその他の売上高や営業利益はほぼ変わっていないことなどを考慮して、会社全体のデータを砂糖事業のデータとして分析することにします。
2022年1Qから2025年2Qの損益計算書を確認し、会社全体の四半期ごとの売上高、売上原価を記載しています。
先ほどの国内市中価格から販売量を計算し、販売量から1sあたりの売上原価を計算しました。
国内市中価格と1sあたりの売上原価の差額を計算し、先ほどの仕入価格と砂糖事業の営業利益率も記載しています。
基本的に仕入価格が上昇することで売上原価も上昇し、国内市中価格も上昇しているようで、仕入価格と売上原価の相関係数は0.9、売上原価と国内市中価格の相関係数は0.95と高いです。
2022年から順に確認すると2022年4Qに仕入価格が上昇したことで、売上原価が上昇し、国内市中価格は変わらないので、国内市中価格と売上原価の差額が縮まり、営業利益率が低下しています。
2023年は仕入れ価格が上昇して、売上原価も上昇したので、国内市中価格が上昇しても、2022年4Qと同様の差額が28前後で推移し、営業利益率は低下した状態です。
2024年1Qには仕入価格は上昇していますが、売上原価は下がり、国内市中価格は変わらないので差額が30台になったことで、営業利益率が6%台に回復しました。
仕入価格は上昇しているのに売上原価が下がった理由は後で考察します。
2024年2Qには仕入価格が上昇して売上原価も上がっていますが、国内市中価格が上昇したことで差額が31円台になり、営業利益率6%台を維持しています。
2024年3Qには仕入価格が下落して売上原価も下がりましたが、国内市中価格が変わらないことで差額が35円台になり、営業利益率8%台になっています。
2024年4Qには仕入価格が上昇して売上原価も上がっていますが、国内市中価格が上昇したことで差額が43円台になり、営業利益率10%台になっています。
2025年1Qには仕入価格が下落して売上原価も下がりましたが、国内市中価格が変わらないことで差額が45円台になり、営業利益率11%台になっています。
2025年2Qには仕入価格が上昇していますが、売上原価は下がっており、国内市中価格が変わらないことで差額が49円台になり、営業利益率13%台になっています。
この理由も後で考察します。
確認したように、国内市中価格と売上原価の差額が営業利益率に影響しており、基本的に仕入価格が上がると売上原価が上がり、国内市中価格が上がります。
2022年4Qから2023年は国内市中価格の上昇よりも売上原価の上昇の方が大きく、差額が小さくなったので営業利益率が低下していました。
2024年以降は売上原価の上昇よりも国内市中価格の上昇の方が大きく、差額が大きくなったので営業利益率が上昇しました。
先ほどと売上高、売上原価、販売量、国内市中価格、1sあたりの売上原価、仕入価格は同じです。
貸借対照表を確認し、四半期末の原料及び貯蔵品、商品及び製品も記載しています。
仕入価格や国内市中価格から原料及び貯蔵品や商品及び製品が、粗糖や砂糖のどれぐらいの貯蔵量に相当するか計算しました。
販売量、原料及び貯蔵品の貯蔵量、商品及び製品の貯蔵量から、最低限仕入が必要な量も計算しました。
これらの単位は百万sです。
2024年1Qと2025年2Qが仕入価格は上昇しているのに売上原価が下がった理由を考えます。
2024年1Qの商品及び製品の貯蔵量はあまり変わっていませんが、原料及び貯蔵品の貯蔵量は600万s増えています。
仕入価格は2023年4Q末から2024年1Q末にかけて1sあたり7.69円上がっていますが、その間の安い時に販売分と原料及び貯蔵品の貯蔵分を仕入れていた可能性があります。
安い時に仕入れたので売上原価が下がっていると思われます。
2025年2Qの商品及び製品の貯蔵量はあまり変わっていませんが、原料及び貯蔵品の貯蔵量は1300万s減っています。
仕入価格は2025年1Q末から2025年2Q末にかけて1sあたり12.49円上がっていますが、2025年1Qに仕入れて原料及び貯蔵品の貯蔵量が3130万sあったので、仕入が必要な量が1430万sと少なくてよくなっています。
安い時に仕入れたのを主に使ったので、2025年2Q末の仕入価格が上がっても売上原価が下がっていると思われます。
2024年1Qも2025年2Qも安く仕入れた原料及び貯蔵品を使うことで営業利益率を高くすることができていますが、それは上手く価格差がある時に貯蔵できた時で一時的な対策であり、継続して高い営業利益率を保つことはできません。
これらの要因を加味しながら今後の売上高や売上原価を予想します。
直近ではニューヨーク市場粗糖先物相場は1ポンドあたり20セント前半で安定しています。
為替が円安になっているので、仕入価格が上昇して1sあたりの売上原価が上昇していました。
2025年2Qはドル円が160円台と極端に円安になっていますし、原料及び貯蔵品の貯蔵があったことで1sあたりの売上原価はイレギュラーです。
粗糖先物相場や為替を予想するのは難しいので、粗糖先物相場は1ポンドあたり20セント前半、為替は150円前半の1sあたりの売上原価を参考に205円と予想しておきます。
国内市中価格と1sあたりの売上原価の差額は現在40円台ですが、40円台は一時的に大きくなっていて20円台は一時的に小さくなっている可能性があり、30円台を中心にブレている可能性がありますので、45円から徐々に30円に縮まると予想しておきます。
これにより国内市中価格が計算できます。
ちなみに、黄色で示したのは私が予想した所、緑色で示したのは私の予想に基づいて計算した所です。
販売量はほぼ変わらずブレているだけなので、前年同期比変わらずと予想しておきます。
これにより販売量が計算でき、国内市中価格や1sあたりの売上原価が予想できているので、売上高と売上原価が予想できます。
2024年から四半期ごとの会社全体の売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、販管費率、営業利益です。
販管費率は10%前後で推移しているので、10%と予想しておきます。
これにより販売費及び一般管理費と営業利益が計算できます。
売上高と営業利益が予想できました。
第2段階の分析で、例年営業外収益の方が1億円程大きかったので、1億円と予想しておきます。
過去の配当性向は10%後半から20%後半までバラバラですが、とりあえず15%、株価は10月4日終値278円として、EPS、BPS、ROE、PBR、配当金、配当利回りを計算できます。
これらの予想は業績を当てるのが目的ではなく、会社の業績の推移がどのように変化しそうかを予想したものです。
数字はずれることを大前提として、数字について述べます。
今期の配当は5円の予想ですが、配当性向15%としても配当は10円を超えています。
会社の今期の経常利益は18億円の予想なので、私は大きく上振れる予想になっているからです。
ただ、来期の配当は6円程になり、278円で買ったら配当利回りは2.2%になる予想です。
今期のROEは14%予想ですが、来期のROEは7%になってしまい、14%が維持できていません。
ROE7%としてもPBR0.6倍は少し割安ですが、粗糖の仕入価格によって業績が安定しないことを考えると見直し買いが入りにくく、株価水準の訂正が起こらない可能性もあります。
他の良い銘柄を探した方が良いと言うのが私の分析です。
私の分析は参考にしていただいて構いませんが、最終的には自己判断、自己責任で投資してください。
第1段階の分析、第2段階の分析の他の銘柄、他の第3段階の分析も配信しますので、概要欄からホームページにアクセスしてチェックしてください。